読書の秋

秋が来た~と思ったらあっという間に冬。コジコジさんの更新から2か月も経ってしまいました。すみません…
 
書きたい事はあったけど書くタイミングを完全に見失っていました。
他に書きたい事もないので、季節外れになってしまいましたが、タイトルにあげた通り、読書の秋にちなんで私が読んで面白かった本たちを紹介したいと思います!
 
まずは、「八月の六日間(著者:北村薫)」。これは、アラフォーの独身女性が日常で上手くいかない時に山登りをする話です。自分も年を重ね、いつの間にかアラサ―…こういう主人公の気持ちに共感できる部分が増えてくるこの頃です。この本の良い所は、なにかものすごいハッピーな事とか大逆転の結末とかはないのに、山に登りながら自分の中の色々なところに向き合っている姿を読む事でとても元気をもらえるところ。何か特別な事がなくても頑張っていかなくてはならないのが現実だと思うので、こういう話は本当に読んでて気持ちを引き上げてもらえます。そしてなりより、準備の段階から楽しそう!お菓子を小分けにして持っていく準備したり、山で読む文庫本を選んだり、そういう楽しみってすごい大切だと思いました。普通に生活していると何気なくやり過ごしちゃうけど。
 
次に、「雨のなまえ(著者:窪美澄)」。これは大好きな窪さんの短編集で、表題の作品の他に4編入ってるんだけど、どれもじっとり暗い話で、窪さんらしいほどよい絶望感とチクッと刺さる痛さが堪りませんでした。でも最後にはちゃんと希望を見せてくれる。は~~~~~!最高でした。
 
そして「怒り(著者:吉田修一)」。これはもう映画化されたから有名だと思いますので内容は省略。私の感想は、悲しいの一言に尽きる。ただただ悲しかった。それもただの悲しみじゃなくて、自分の深い所からジワジワと染み出してくるような悲しみ。誰かが怒りを感じた時、それを見た人が感じるのは悲しみなのだと思いました。人を信じるのは、自分が思っているより難しくて、一度疑いの目を向けてしまえばどれだけ信じていると思っていても、自分が思っているもっともっと深い所で結局何も信じていないのかもしれない。これ読んで数日間は悲しい気持ちでいっぱいでした。
 
最後に、「回転ドアは、順番に(著者:穂村弘東直子)」。これは、短歌と詩で、ある男と女の出会いから別れまで書かれているんだけど、ものすっごく甘酸っぱいし、とても幸せな気持ちになるし、胸がはち切れそうなくらい切ない。短歌と詩でこんなに色々な気持ちになるなんて、言葉ってすごいなと思う。本当に素敵な本!
 
 
読書の秋と言いつつも、冬になっても変わらず本を読んでいます。
何かオススメの本があったら教えてください!